腰痛予防にストレッチや筋トレは本当に効果的なのか!?

慢性的な腰痛を抱え、腰に不安を抱えながら騙しだまし生活している方はいませんか?日本国内の疫学調査では、過去に腰痛があった方は約70〜80%、腰痛を訴える方は40〜50%と非常に多くの方が腰の痛みに頭を悩ませています。そんな腰痛予防にはストレッチや筋トレを進めることが多くありますが、本当に腰痛の予防に効果があるのでしょうか?

腰痛予防とストレッチの関係性について

腰痛は、特に長時間の運転をする運搬業や医療・介護の職種の方など重労働が要因であることが多いとされています。

そんな腰痛の原因は、長時間の運転だけでなく、産後の身体の歪みや筋肉のこわばり、圧迫骨折、腰椎の変性疾患など様々なものがあります。痛みを伴う腰痛は、まず大前提に原因を特定して治療を行わないと逆に腰痛を悪化させてしまうこともあるため注意が必要なことをご周知ください。

腰痛に対するストレッチについては様々な意見がありますが、本当にストレッチに効果があるのでしょうか?



腰痛診療ガイドライン(2012)では、「体幹筋力または脊柱可動域と腰痛発生リスクの関係には一貫した結果が得られていない」と報告しており、急性の腰痛が起こった場合にストレッチや筋トレを行なっても一概に効果があるとは言えません。


一方で、3ヶ月以上の慢性的な腰痛に対しての体幹筋力強化(腹筋・背筋)とストレッチ、持久性運動をすることは、腰痛発生を予防するとして推奨されてます。そのため、過去に腰痛を経験して慢性的な腰痛に悩まされている方においては、ストレッチをすることで腰痛の再発を予防する効果が期待できます!


では、慢性化した腰痛を感じる皆様の腰への負担を軽減するための腰痛予防ストレッチについてご紹介していきます。

日本整形外科学会診療ガイドライン委員会 腰痛診療ガイドライン策定委員会「腰痛診療ガイドライン2012」
平成29年7月17日アクセス

腰痛予防ストレッチ①|ハムストリングス

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それでは、慢性的な腰痛の再発予防するストレッチ方法についてご紹介します。まず始めにこちらの運動は、太ももの裏に付着するハムストリングスのストレッチです。このハムストリングスが硬くなってしまうと、猫背などの姿勢が悪くなり、腰痛を引き起こす原因の1つとなります。

【運動のやり方】
① できる限り、膝を伸ばした状態で行いましょう。
② つま先を手前に引き寄せると、ふくらはぎのストレッチ効果も増大します。

※こちらのストレッチは「ビリビリ、ジンジン、チクチク」といった痛みやしびれなどを伴う方には適応しておりませんので、ご理解の上で取り組んでください。痺れの出現や痛みが継続する、痛みが強い場合は、お近くの医療機関にかかり、原因を特定して治療していただくことをオススメします。

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腰痛予防ストレッチ②|腰・背中

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続いてこちらの運動は、腰痛予防のための腰から背中のストレッチです。四つ這いの姿勢で背中を丸めることで背部に付着する多裂筋や脊柱起立筋をストレッチします。「猫のポーズ」の一部を切り取ったような動きです。

腰痛の原因の一つに姿勢の悪さや痛みをかばうために背中や腰の筋肉が過剰に働いていることが考えられます。そのためこちらのストレッチを行い凝り固まった筋肉の柔軟性を高めていきましょう。

【運動のやり方】
① おへそを覗き込むように意識しましょう。
② 背中を丸める時に息を吐き、お腹を凹ませましょう。

腰痛予防ストレッチ③|お尻

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次に、腰痛予防のためのお尻のストレッチをご紹介します。こちらのストレッチは、お尻の中でも「梨状筋」という筋肉の柔軟性を高める効果が期待できます。お尻の筋肉は股関節や骨盤に付着するため腰痛との関連性も強い部位です。特にお尻周りまで関連痛がある方にはオススメです。

【運動のやり方】
① 乗せた足は90度の位置を保ちましょう。
② 引き上げることが困難な方は、両手で引き寄せましょう。

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腰痛予防ストレッチ④|腰の筋膜リリース

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こちらの運動は、脊柱起立筋や多裂筋などの腰の筋肉を緩ませる方法です。デスクワークなど長時間の同姿勢は、腰の血液循環の悪化を招き、腰痛を引き起こします。そのため腰の筋膜を刺激することで血流が改善され、痛みの緩和が期待できます。デスクワーカーや園芸後などの長い時間同一姿勢をとる方にオススメのストレッチです。

【運動のやり方】
① 骨盤の上にテニスボールを置きましょう。
② できる限り、両手を遠くまで伸ばしましょう。

腰痛予防ストレッチ⑤|膝裏の筋膜リリース

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こちらの運動は、テニスボールを使った膝の裏のストレッチです。膝の裏に付着するハムストリングスを圧迫することで柔軟性を向上させることができます。ハムストリングスの柔軟性は、円背などと関連性が強いため腰痛予防のストレッチとしてもお勧めです。

【この運動の禁忌】
① 悪性腫瘍や癌などは転移を助長させる可能性がある
② 開放創や縫合部がある場合
③ 全身または局所的な感染がある場合
④ 下肢静脈血栓症(エコノミークラス症候群)を発症している場合

【運動のやり方】
ハムストリングスの付着部である、坐骨の付け根にニテスボールを置きうようにしましょう。

腰痛予防と筋トレの関係性について

続いて、腰痛予防に筋トレが有効なのかについて考えてみたいと思います。

腰は、その周辺を筋肉や靭帯のみで支えており非常に不安定な部位です。そのため常に大きな負荷がかかっており、腰痛を引き起こす可能性が高くなります。

腰痛予防のトレーニングについては、その運動方法については具体的なものはありませんが、特に運動習慣が重要とされており、運動不足が腰痛発生の危険因子とされています。

そこでご紹介するのが、腰の安定感を高めるために必要な「腹筋」と「背筋」の筋トレです。


腰痛予防のための腹筋のトレーニングとして注目したいのが、「腹横筋」と呼ばれる腹筋のコアマッスルです。腹横筋の中部は、体幹をコルセットのように締め付けることで体を安定させ、腰への負担を軽減する効果が期待できます。


さらに、腰痛予防のための背筋のトレーニングとして注目したいのが、「多裂筋」です。多裂筋は、体幹の回旋時に作用する筋として知られており、特にテニスやゴルフなどの上半身を捻るスポーツをされる方の腰痛予防として重要です。




生方ら(2014)の研究によると「疼痛側の多裂筋は筋スパズムを発生させ疼痛が生じ筋力低下と筋萎縮を呈しており,非疼痛側の多裂筋は代償的に弛緩しているため,疼痛側だけでなく非疼痛側へもアプローチする必要があることが示唆された」と報告しており、多裂筋と腰痛の関係性について説明しています。




では、ここからは慢性的な腰痛の再発を予防する筋トレについてご紹介していきます。

生方瞳, 霍明, and 丸山仁司. "慢性腰痛症における多裂筋筋硬度の左右差について." 理学療法科学 29.1 (2014): 101-104.
平成29年7月17日アクセス

腰痛予防トレーニング①|ドローイン運動

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こちらの運動は、腰痛予防のための腹横筋の筋トレです。腹横筋は、横隔膜(おうかくまく)、多裂筋(たれつきん)、骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)と共に腹筋群のコアマッスルとして知られており、主に腹式呼吸で息を吐く場合に働きます。

腹横筋の上部は胸郭を固定し、中部・下部は体幹の安定性を高める働きがあります。そのため、多裂筋と共に体幹をコルセットのように締め付けることで体を安定させ、腰痛を予防する効果が期待できます。

【運動のやり方】
① 胸を張り、背筋を伸ばして行いましょう。
② 大きく腹式呼吸するように意識しましょう。

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腰痛予防トレーニング②|プランク運動

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こちらの運動は、腰痛予防のための「プランク」と呼ばれる筋トレです。プランクは、腹直筋や腹斜筋などの腹筋群だけでなく、脊柱起立筋などの背中のトレーニングとしても活躍します。腰痛予防として体幹のアウターマッスルをしっかりと鍛えておきましょう。

筋力アップには、最低でも10〜12週間に継続的な運動が必要となります。週に2〜3回程度を長期的に取り組むようにしましょう。

【運動のやり方】
① 背中からお尻にかけて一直線上になるように、姿勢を保ちます。
② 足は交互に広げましょう。

腰痛予防トレーニング③|サイドプランク運動

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こちらの運動は、「サイドプランク」と呼ばれ、腰に付着する筋肉を効果的に鍛える腰痛予防の筋トレです。こちらの運動では、主に外腹斜筋や中臀筋、腰方形筋を使って姿勢を維持能力を高めることができます。腰は筋肉と靭帯のみで守っている不安定な部位ですので腰痛予防としてこれらの筋肉を鍛えておくことは重要です。

【運動のやり方】
① 片膝を曲げることで姿勢が安定しやすくなります。
② お尻をあげて、足首や腰、肩が一直線になるようにします。

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腰痛予防トレーニング④|クランチ運動

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こちらの運動は、腰痛予防のための「クランチ」と呼ばれる筋トレです。クランチは、主に腹筋群を鍛えることができますが、腹筋の力が弱い方は腰への負担が強くなる場合があります。そのため、両手は腰の下に置き、背面筋の負担を軽減しながら腹筋に取り組むことをお勧めします。

【運動のやり方】
① 腹筋運動の際は、骨盤が床から離れない程度まで上半身をあげましょう。
② 息を大きく吐くように意識しましょう。
③ 可能な方は、頭をあげた姿勢を1〜2秒程度保持しましょう。

腰痛予防トレーニング⑤|ダイアゴナル運動

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こちらの運動は、腰痛予防のための「ダイアゴナル」と呼ばれる筋トレです。四つ這いの姿勢にて対側の上下肢を抗重力位方向に挙上することで体幹筋(主に腹横筋や脊柱起立筋、大臀筋など)と背面筋(脊柱起立筋や多裂筋)を鍛えることができます。特に腹横筋と多裂筋は腰痛予防には重要な部位ですので四つ這いでのトレーニングも取り組んでみてはいかがでしょうか。

【運動のやり方】
① 背中や腰、脚が一直線になるように姿勢を意識します。
② 視線はやや前方をみるようにしましょう。

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腰痛予防にコルセットは効果的なのか!?

日本整形外科学会の「腰痛診療ガイドライン2012」によると、腰痛を有するまたは過去1年以内に腰痛の既往を有する介護職員360例を対象としたランダム比較試験では、”コルセットを装着した群では、腰痛を有した期間が有意に短く、装具は腰痛の再発予防に有効であった”と報告されています。

しかしながら、厚生労働省の「職場における腰痛予防対策指針及び解説」によると、”腰部保護ベルトは、効果を感じられる人もいるが、腰痛がある場合に装着すると外した後に腰痛が強まるということもある。また、女性労働者が、幅の広い治療用コルセットを使用すると骨盤底への負担を増し、子宮脱や尿失禁が生じやすくなる場合がある”と報告されています。

コルセットには、市販の軟性コルセットや支柱付きコルセットなどがありますが、これらのコルセット装着によって直接的に腰痛を予防するかどうかの見解は定かではありません。

そのため、コルセット装着だけでなく、トレーニングも合わせて取り組むことで腰痛の再発を予防していくことをお勧めします!

日本整形外科学会診療ガイドライン委員会 腰痛診療ガイドライン策定委員会「腰痛診療ガイドライン2012」
平成29年7月20日アクセス

【終わりに】
腰痛は、その原因は不明と言われることも多く、その予防方法も要因によって異なります。そのため対策に迷われる方も多いのではないでしょうか?今回ご紹介したストレッチや筋トレに取り組んで、皆様の慢性化した腰痛を少しでも軽減できれば幸いです。
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この記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。この記事の情報を用いて行う行動は、利用者ご自身の責任において行って頂きますようお願い致します。
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