個別機能訓練加算の算定までの手順|8つのステップをご紹介


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平成30年度の介護報酬改定に向けて通所介護の機能訓練の強化が論点となってきている一方で、個別機能訓練加算は機能訓練指導員を常勤または専従で配置する規定や個別機能訓練計画書の作成が難しいなどと言った理由から算定を断念している事業所も多くあります。そこで今回は、これから初めて個別機能訓練加算を算定しようとお考えの方に個別機能訓練加算の算定までの手順をご紹介します。

個別機能訓練加算の算定までの手順とは

個別機能訓練加算とは、通所介護(デイサービス)に勤務する機能訓練指導員が中心となって、利用者者様の身体状況に応じた機能訓練を提供した場合に算定できる加算です。

平成27年度の介護報酬改定では、個別機能訓練加算の単位数は以下のようにアップしました。


【個別機能訓練加算の単位数】
◎個別機能訓練加算Ⅰ:42単位→46単位/日
◎個別機能訓練加算Ⅱ:50単位→56単位/日


両方の加算を算定することができれば1日に「102単位」を算定できるため、通所介護の経営にとっても非常に大切な加算です。



これらの個別機能訓練加算を算定するためには、それぞれの算定要件がクリアしているか確認した上で、各市区町村に届出を申請します。さらに、サービス利用者の居宅を訪問し、本人やその家族に情報収集を行なった上で個別機能訓練計画書を作成していきます。この計画書は、本人と家族への説明・同意書としても活用されます。また、サービス計画書(ケアプラン)にも反映される内容のため、担当のケアマネにも忘れずに通知しておく必要があります。


【算定までの流れ】
❶個別機能訓練加算の算定要件を確認する

❷届出に必要な書類の準備

❸利用者様の居宅への訪問(担当者会議)

❹個別機能訓練計画書の作成

❺本人・ご家族へ説明・同意

❻個別機能訓練の実施

❼モニタリング・評価の実施

❽実施記録を記載・保管する


それでは次章より、これらの手順について詳しく解説していきます。


▼通所介護の個別機能訓練加算の算定要件や実践プログラムについてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事がオススメです。合わせてご覧ください。

【関連記事】個別機能訓練加算とは
個別機能訓練加算の算定要件から実践プログラムまで徹底解説します♬

算定手順①個別機能訓練加算の算定要件を確認する

それでは、初めて個別機能訓練加算を算定する場合の手順についてご紹介していきます。

まず、手順の1つ目として「算定要件」を満たしているか確認する必要があります。個別機能訓練加算ⅠとⅡでは、機能訓練指導員の配置基準が「常勤専従」と「専従」で異なります。それぞれの算定要件は以下の通りです。


【個別機能訓練加算Ⅰの算定要件】
加算を算定するためには、次の基準にすべてに適合することが条件です。
⑴「常勤専従」の理学療法士等を1名以上配置していること
⑵利用者の自立の支援、日常生活の充実を目的とした機能訓練の項目を「複数」計画し、利用者の心身状況に応じた訓練を実施していること
⑶機能訓練指導員、看護職員、介護職員、生活相談員、その他の職種の者が共同し、機能訓練計画書を作成、実施していること
⑷3ヶ月に1回以上、利用者やその家族の居宅を訪問した上で、その内容を説明し、見直しを行っていること


【個別機能訓練加算Ⅱの算定要件】
加算を算定するためには、次の基準にすべてに適合することが条件です。
⑴「専従」の理学療法士等を「1名」以上配置していること
※但し、非常勤の機能訓練指導員の配置でも算定可。雇用契約等をクリアすれば同法人内で出向や派遣での対応も可。なお看護職員が当該加算に係る機能訓練指導員の職務に従事する場合は、当該職務の時間帯は看護職員としての人員基準の算定に含めないこと。
⑵利用者の生活機能の維持・向上し、「利用者ごと」の心身の状況を重視した個別機能訓練計画を作成していること
⑶個別機能訓練計画に基づき、理学療法士等が利用者の心身の状況に応じた機能訓練を実施していること
⑷3ヶ月に1回以上、利用者やその家族の居宅を訪問した上で、その内容を説明し、見直しを行っていること


▼個別機能訓練加算ⅠとⅡの違いについてはこちらの記事で紹介しています。詳しく知りたい方はこちらも合わせてご覧ください。

【関連記事】個別機能訓練加算ⅠとⅡの違いがわかる!7つのポイント
個別機能訓練加算ⅠとⅡの違いが簡単にわかる7つのポイントをご紹介します♬

算定手順②個別機能訓練加算の届出書類の準備

当事業所が個別機能訓練加算の算定要件を満たしていれば、次に市区町村の役所に「届出書類」を提出します。


【届出に必要な書類】
・各市区町村指定の個別機能訓練加算様式書類
・従業者の勤務体制及び勤務形態一覧表
・機能訓練指導員の資格証のコピー


個別機能訓練加算の提出期限や届出方法は、各市区町村によって窓口へ直接提出なのか、郵送提出なのかは異なるため事前に問い合わせて確認しておくことをお勧めします。

算定手順③利用者の居宅を訪問する

[出典] 厚生労働省老健局振興課

次に、実際に個別機能訓練加算を取得するために必要な「居宅訪問」についてご紹介します。

平成27年度の介護保険改定において、個別機能訓練加算を算定する上では「居宅訪問」が必須となりました。居宅訪問では、利用者様が「どのように生活しているのか」「生活をする上で問題となっている点はないか」を把握します。

これらを簡単に把握する方法に「居宅訪問チェックシート」があります。このシートでは日常生活動作や家事動作など生活を送る上で困っていること、問題となっている点を新たに知ることができます。実際のトイレや階段などの環境もチェックできる項目があるので自宅環境の課題が明確になります。

これらの情報は個別機能訓練加算の目標設定として参考にしたり、機能訓練のプログラムとしても具体的な高さや手すりの位置、段差を想定して訓練を行うことができるようになります。


居宅訪問は、通所介護で随時行われる「実施指導」などで確認される項目でもあるため、シートを個別機能訓練計画書と合わせて保管しておくようにしましょう。


▶︎個別機能訓練加算を算定するために必要な居宅訪問に関してお悩みがある方はこちらの記事がお勧めです。

【関連記事】個別機能訓練加算に役立つ!居宅訪問のチェックポイントとは
居宅訪問時のチェックポイントをご紹介します♬

算定手順④個別機能訓練計画書の作成

[出典]厚生労働省

個別機能訓練加算を算定する上では、機能訓練指導員が中心となって利用者様ごとに「目標」「実施時間」「実施方法」などを記載する個別機能訓練計画書を作成する必要があります。


個別機能訓練計画書を作成する場合は、個別機能訓練加算ⅠとⅡの「目標」と「訓練内容」が異なることを理解しておく必要があります。


【個別機能訓練加算Ⅰ】
◎目標
筋力・バランスなどの心身機能の維持・向上を目指すものとする。
◎訓練の内容
ご利用者様が主体的に選択でき、生活意欲を増進する訓練項目を複数準備します。


【個別機能訓練加算Ⅱ】
◎目標
食事、排泄、更衣などの日常生活活動や調理、洗濯、掃除など家事動作の獲得、趣味・余暇活動、社会参加などを目指すものとする。
◎訓練の内容
具体的な生活動作さ、それを模倣した動作を反復した訓練を提供する。
浴槽、脱衣所、階段、台所など日常生活に必要な設備を整え、実用的な訓練を提供することが望しい。


これらが理解できていない場合、実施指導で計画書のご指摘を受ける場合があります。正しい知識をつけて個別機能訓練計画書を作成していきましょう!


▼個別機能訓練計画書の書き方についてはこちらの記事で詳しくご紹介しています。計画書をこれから作成する方は、こちらも合わせてご覧ください。

【関連記事】個別機能訓練計画書の書き方
個別機能訓練計画書をはじめて作成する人のための4つの指針をご紹介♬

算定手順⑤本人・ご家族への説明・同意

個別機能訓練計画書を作成したら、本人またはその家族に計画の内容を説明し、同意を得た上でサインをいただく必要があります。


初回計画の場合は、プログラム実施後の変化の記載はしなくても構いません。2回目以降の場合は、計画したサービス内容に対してどのような変化があったのかを中心に説明していきます!


また、長期・短期目標が達成した場合や本人または家族の意向が変わった場合は、計画書の目標やプログラム内容を変更していく必要があります。

算定手順⑥個別機能訓練の実施

個別機能訓練計画書を作成し、本人またはその家族に同意(サイン)をいただいて初めて機能訓練の実施をすることができます。


個別機能訓練加算ⅠとⅡによってそれぞれ目的と訓練内容が異なることを覚えておきましょう。


【個別機能訓練加算Ⅰ】
筋力・バランスなどの心身機能の維持・向上を目指す訓練内容を利用者様が主体的に選択できるように複数準備する。訓練は、個別という決まりはなく集団でも算定が可能で、実施者は介護職員でも構いません。


【個別機能訓練加算Ⅱ】
食事・トイレ・着替えなどの日常生活活動、調理、洗濯、掃除など家事動作、趣味・余暇活動、社会参加などの獲得を目指す訓練内容をそれを模倣した動作を反復した訓練を提供する。さらに、実際の日常生活に必要な設備を整え、実用的な訓練を提供することが望しいとされています。訓練は、5名以下の小集団でも算定が可能ですが、実施者は機能訓練指導員が直接指導する必要があります。


▼個別機能訓練加算Ⅰと個別機能訓練加算Ⅱの機能訓練メニューには様々なものがあります。機能訓練メニューの内容について知りたい方は下記の記事をご覧ください。

【関連記事】初心者でもわかる個別機能訓練メニュー|個別機能訓練加算ⅠとⅡ
機能訓練メニューがわからない方はこちら♬

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この記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。この記事の情報を用いて行う行動は、利用者ご自身の責任において行って頂きますようお願い致します。
 
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